ヴァンジ彫刻庭園美術館展示大ホールで上映された映画を観てきました。
キャンドルナイトということで、日が落ち、木々が黒いシルエットとなり、
空が夜に変わってゆく中、美術館の庭にキャンドルの光の道がゆらめいて、
点在するヴァンジの彫刻が、浮かび上がるという、何とも贅沢な空間でした。
郵便局員のハーブと図書館司書のドロシー夫妻が「自分たちのお給料で買える」「1LDKのアパートに収まるサイズである」という基準で集めた現代美術が、20世紀アートに名を残す名作ばかりに~というドキュメンタリー映画です。
どんな作家のどのような作品を集めたのか、それを1LDKのアパートにどのように飾ってあるのか興味がありました。
二人はとても素朴な人のように一見見えましたが、とんでもありません。
二人が作品を見るときはハンターのようです。全作品を見たがり、作家がどのような思考で作品に向かい合っているか、かぎとります。
アパートにあふれかえる作品にあぜんです。
交流のある今は大家となっている有名な作家たちの、インタビューも興味深く、クリストの作品を、猫を預かって手に入れた話など、いかに友達だったかがわかります。
作品を理解し、愛してくれるからこそ、二人のもとに、傑作が集まったのでしょう。
売れば高額となるコレクションを、散逸させることなく作品を愛してくれるところだったから、ナショナルギャラリーに寄付したのでしょう。
今年の夏はこれで終わっていいと思えるような一晩でした。